金史上最高値の背景にあった米中戦争の勝者

「有事の金」の裏側

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金を産出する大国オーストラリア。金価格の上昇が続いている今、オーストラリアドルが上昇を続けています。FXを始めたい初心者の方は、少額からオーストラリアドルを買うという選択肢もあるでしょう。

金史上最高値の背景にあった米中戦争の勝者

3月1日、2日とニューヨーク先物市場で連日の史上最高値を更新した金。リビア情勢の緊迫化で原油価格が高騰、インフレヘッジの買いが押し上げた格好だ。まさに「有事の金」の面目躍如といったところだが、その背景には知られざる。米中戦争心があった。

 

幕が開いたのは1月14日。中国人民銀行が金融引き締めの一環として、預金準備率を引き上げると発表したことだった。これに即座に反応したのがニューヨークに拠点を帯兄るファンド勢。金先物価格は昨年12月に最高値を付けて以降、下落傾向にあったが、「金融引き締めは売り」という常識に則り、売りポジションをふくらませた。これで1日付1300ドル割れ目前となり、欧米の通信社もこぞって1200/台は確実と連日のように報道した。

 

ところが、中国の風景はまったく違った。ちょうど北京を訪れていたワールドゴールドカウンシル(WGC)の豊島逸夫・日韓地域代表は、金販売会社の店頭に中国人が詰めかけているのを見て目を丸くした。日本のデパート並みの4階建てビルすべてが売り場になっており、そこにごく普通の一般市民が金を買いに来ていたのだ。

 

ファンドは先物の売り攻勢を続けたが、現物の買い支えの勢いが強く、なかなか価格は下がらない。さらに、先物であればいずれ買いに回らなければならないのに対して、現物は買いっぱなしとなる。勝負は意外なところで決まった。

 

エジプトで反政府運動の動きが強まると金価格は反転、一本調子で上昇し、ファンドは完膚なきまでにたたきのめされた。洗練されたはずのアルゴリズム、高度なはずのリスク管理手法が、金が欲しいといケ単純な本能に負けたのだ。

 

実際、中国人の金信仰は驚くべきものがある。金地金(バ士や干支の形をした純金製の置物などが飛ぶように売れている。WGCによると世界の金の昨年の年間生産量は2658ブに上っており、中国の輸入量は579いに上る。その中国よりも金を買っているのがインドだ。

 

婚礼で娘に持参金代わりに持たせる風習があり、その量は年間963トンにも及ぶ。これまで金価格は循環で上下すなど新興国の需要の高まりで右肩上がりのベースの上に投機の循環が乗っかっている。

 

余談だが、投機筋が相場に負けたことで当面は怖くて売りに回れないのではないかと見られている。金はプラチナや銀など他の貴金属に比べても、株や債券などのアセットの値動きとの相関関係はきわめて低い。工業用の需要が小さく、金そのものの価値が認められているためであり、それがまた孤高の地位を保つ秘密といえる。


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